2010/8/10 に行われた「第二回九州電書勉強会」に参加しました。(本エントリーで言う「電書」とは「電子書籍」のこととします)
お題は2つありましたが、その内の「 日本で起こりつつある電書のビジネススキームの状況と、問題点」をまとめます。
講演の内容と、自分の考えたことをまとめます。
眺の代表取締役。5年前から電子書籍の仕事をされている。主に「ボイジャー社」ビューア向けの電書の作成を取り扱っている。
電書業界に身を置いている視点から、現状と問題点を語られました。
昨今、電書がメディアに取り上げられているが、実は過去からあった。
2003 – 2005 あたりに日本で最初の潮流が。ΣBook(松下電器産業)、LIBRIE(SONY)などの電子書籍リーダーが発売された。さらにキヨスクに電書購入用の端末も置かれた。
しかし、リーダー専用端末だったにもかかわらず高額な値段で、当時はメディアにも大きく取り上げられず廃れてしまった。
SONY は LIBRIE を「Sony Reader」という名前に変え、2006年より北米で販売。2007年にアマゾンが、Kindleを発売。そっくりな見た目だった。
アメリカで爆発的に売れた Kindle が日本に進出してきたこと、iPhone, iPad といった電書に使えるデバイスが日本で売れたことが、今の騒ぎの発端。
今年になって、多くの企業が電書への取り組みを発表した。
泥沼の様相を呈していて、どこが最後に残るかわからない。問題なのは、各々自分達で電書データのフォーマットを決めようとしていること。
読者は、自分の買ったリーダに対応した書籍データしか読めない。
つまり現状は、誰も読者のことを考えていない。
ある専門家曰く「全てが失敗し、焼け野原になったところからやっとその後主流になるものが産まれるかもしれない」。
Apple の iBook で扱う電書フォーマットとして注目されている。
アジア圏の対応がまだ弱い。日本をはじめとした漢字文化圏が結託し、提唱をしようとしている。
しかし、日本は国際規格に対する発言権が弱く、本当に通るかどうかわからない。
電書の世界は、まだ戦国時代。設備投資などもいらないため、ベンチャーや個人こそ参入しやすい分野。
九州で電子書籍の波を起こそうではないか!インディーズの出版文化を作ることができるのではないか?
例えば、アマチュア著者、校正をする人、感想を言う人、挿絵や装丁をする人、データを作る人。
小さい単位でそういうプロジェクトを作ろう。
九州電子書籍勉強会は、そういった人たちが出会う場にしていきたい。
フォーマットについて。結局のところ、「使われるビューア」からデファクトスタンダードが産まれ、フォーマットが決まってくるのではないかと思っています。
最初のとっかかりとして、青空文庫を選択した「i文庫」は正しい。最初から「無料で」たくさんの書籍データを読むことができるビューアとなりました。
また、手持ちのPDFやZIPを読め、表示のエフェクトにこだわったところから人気のアプリになりました。iPad 向けの「i文庫 HD」は、App Store でトップを維持し続けています。
同ビューアは、アプリ内課金でコンテンツを提供する出稿機能を考えているようです。(「i文庫 出稿機能」NAGISAWORKS 開発ブログより)
今から電書で大きく売るならこんな手順になると思ってます。i文庫に習っています。
または「このビューワが今後売れるだろう」とあたりをつけて、「データを作成する中間業者」になるのも手かもしれません。
電子書籍業界、今後が面白そうですね。